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お酢の歴史と種類~お酢は世界最古の調味料~

豆知識

お酢ってそもそもなに?

日本人にとって身近な調味料の一つであるお酢。料理の『さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)・そ(味噌)』の中にも入っているしそこそこ歴史はありそうですが、お酢がどうやって作られているかご存知ですか?

料理のさしすせそお酢は、糖質を含む食材を原料としてアルコール発酵させた後、微生物の力を借りて酢酸発酵させたものです。お酢の中には、酢酸が3~5%含まれています。
つまりお酢はお酒をさらに発酵させて出来上がります。お酒になるものなら全てがお酢の原材料になります。お米などの穀物やぶどう・りんごなどの果実もお酢の原材料です。そしてそのお酒を酢酸菌という微生物の力で発酵した物が『お酢』になります。

お酢はどれくらい昔から作られてるの?

 

【お酢の歴史】世界最古の調味料!?

最古のお酢の原料は干しぶどう

お酢の起源は紀元前5000年

今から7000年も前の紀元前5000年、現在のイラク南部にあたるバビロニアで、ナツメヤシや干しぶどうからお酢を作っていたという記録が残っています。

恐らく最初は、食べずにとっておいたナツメヤシや干しぶどうが空気中に存在する微生物の力でアルコール発酵し、いつの間にかお酢になっていた。というような感じだと思うのですが、あのお酢特有のツンと来る香りにもめげず最初に口にした方はスゴイですね。

調味料の記録としては一番古く、お酢は世界最古の調味料と言われています。

お塩の起源は紀元前2000年

あれ?お塩の方が古くないの??と思うのですが、現在でいう製塩技術が行われていた記録は紀元前2000年頃の物が最古です。

海岸地域に住んでいる方が塩水で味付け・・・などはもっと古くから行われていたかもしれませんが、意外にも記録が残っている調味料ではお酢の方が断然古いのです。

そして同じ発酵調味料である醤油や味噌よりもお酢の歴史は古く、有名な旧約聖書にもお酢の記載がある程です。

【世界のお酢の歴史】薬としても使われていた!?

お酢の歴史

お酢の記録は世界中の様々な文献で見られ、紀元前1100年頃には中国でお酢作りの役人がいたことや漢方薬として使われていた記録が残っています。紀元前400年頃には『ヒポクラテスの誓い』で有名な西洋医学の父であるヒポクラテスが治療の一環として薬としてお酢を使っていた記録が残っています。

古代ローマではお酢ドリンク「ポスカ」が大流行

ポスカが流行した古代ローマ古代ローマでは水にお酢を加えた『ポスカ』なる飲み物が流行していた記録も残っています。なかなかオシャレなネーミングですよね。
イラストを描くペン・・・ではなく兵士も飲んでいたそうです。当時のお酢は今でいう栄養ドリンクのような存在でローマ軍の強さの秘密は「ポスカ」にあるという説もあるそうです。栄養不足を補い疲労回復に役立つお酢は古くから多くの人に愛されていました。

 

大航海時代になるとお酢は保存料として活躍

生野菜をお酢で保存15~17世紀の大航海時代には、海上では野菜が摂り辛いためビタミンC不足が原因で『壊血病』が頻発しました。
その予防のために、野菜を保存しようと試行錯誤した結果、現在でいうピクルスのようにお酢に漬けた野菜が考案されたようです。
数千年に渡り、お酢の殺菌効果や疲労回復効果、整腸作用などから保存食としても使われていたようです。

 

【日本のお酢の歴史】聖徳太子よりも前に伝わっていた!?

聖徳太子の時代には日本にお酢が伝わっていた

日本にはお酢はいつ頃伝わった?

日本には紀元400年頃の古墳時代に中国から米酢が伝わったと言われています。
紀元400年頃と言えば・・・卑弥呼よりは後、聖徳太子よりは前という、歴史ではちょっと中途半端な時代です。仏教が伝わったのが500年代半ばと言われているので、なんとお酢は仏教より早く日本に伝わっていたのですね。もしかすると聖徳太子もお酢を飲んでいたのかも・・・なんて思うと夢が広がります。

その後奈良時代には万葉集にもお酢のことが詠まれていて、上流社会の高級調味料として使われていた文献も残っています。また世界での使われ方と同じように、漢方薬の一種や薬としても使われていたそうです。

万葉集に詠まれていたお酢の和歌

-万葉集-
醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗(つ)きかてて 鯛願ふ 我れにな見えそ 水葱(なぎ)の羹(あつもの)

 

-独断と偏見の意訳-
酢醤油にニンニクをつぶして入れて鯛とかがっつり食べたいなぁ。葉っぱのお吸い物なんか私にはいらないよ。

今想像しても鯛の焼き物やお刺身をニンニク入り酢醤油で食べるなんてとってもおいしそう。
1300年前からお酢にはさっぱりとした口当たり+栄養があるというイメージがあったんですね。

世界のお酢にはどんな種類があるの?

古代から世界中で作られているお酢お酢は今から7000年以上も前から世界中でその土地や時代背景に沿った農作物から作られてきました。
ぶどうなどの果物、麦や米などの穀物などなど。糖質を含みアルコールになる原料であればお酢ができるので沢山の種類があるんです。
大別すると穀物を原料とする穀物酢、果実を原料とする果実酢、酢酸を水で薄めて食品添加物を加える合成酢の3種類に分けられます。

 

穀物酢

穀物を原料とする穀物酢

お酢の中で穀物を原料とする物は穀物酢に分類されます。穀物酢の中でも米を原料とするものは米酢、玄米を原料とするものは黒酢、酒粕を原料とするものは赤酢、大麦を原料とするものは大麦黒酢と数種類に分類されます。

イギリスでは大麦原料のモルトビネガーイギリスでは大麦を原料とするモルトビネガーが主流、米を主食とする日本では米酢が主流と、その土地に合ったお酢が作られているのが分かります。米酢の原料のお米は日本では長い間高級食材だったので、米酢も上流社会の高級調味料でした。お酢が庶民にも普及したのは、握り寿司(江戸前寿司)や巻き寿司が誕生して定着した江戸時代に入ってからと言われています。

 

果実酢

果物を原料とした果実酢

お酢の中で果物を原料とする物は果実酢に分類されます。日本ではりんご酢なども知られていますが、やはり穀物酢の方が主流ですよね。でもお酢の起源は干しぶどうなどを原料とした果実酢であると言われていて、世界では果実酢も主流です。

ぶどうを原料としたバルサミコ酢と柿を原料とした柿酢フランスではぶどうを原料としたワインビネガーが、イタリアでは同じくぶどうを原料として長期間樽で熟成させた高級酢としてバルサミコ酢が有名です。意外にも日本でも古くから作られている果実酢があるのです。それは柿を原料とした柿酢。日本家庭によく植えられていた柿の木。その柿が熟して落ち自然に発酵し柿酢が誕生したと言われています。

 

合成酢

氷酢酸を使用した合成酢
日本では紀元400年頃に伝わった頃から米酢が主流でしたが、農作物を原料としない合成酢という物も存在します。メリットは安価で作れること。大正時代に石油や石灰石を原料とした工業用アルコールから作られた氷酢酸を水で薄めて、人工甘味料など複数の食品添加物を加えた合成酢が生まれました。
米を原料としないので庶民にも価格を抑えたお酢として流通し始め、昭和の戦中戦後の食糧難の時代には米を原料とする製品を作ることが禁止されたので、合成酢が一般的なお酢として広まりました。
しかし、昭和45年の法改正により氷酢酸を使用したお酢は『合成酢』と表記することが義務付けられ、それ以降はほぼ合成酢を見ることはなくなりました。

編集後記

意外にもとても古い歴史がある、世界最古の調味料と言われるお酢。古くは高級食材であったり、漢方薬や薬として使われていたりと、健康食として使われていたことは間違いないようです。そんな風にしてお酢を口にしてみると、また違った味わいが生まれそうですね。
 
 

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